事業計画書とは
■融資や投資のためのプレゼンテーション資料
事業計画書とは、事業内容や取扱商品、収支計画をまとめた資料です。会社設立にあたって作成義務はないのですが、金融機関や起業家、助成金の申請先へプレゼンテーションをし、資金調達をするためには欠かせません。
一般的な事業計画書作成の目的は、事業内容や将来の計画を正確かつスピーディに伝えることが狙いなので、簡潔に内容がまとめられた書類であることが求められます。さらに、融資や投資を検討中の相手に対して、事業を成功に導くための経営計画を、数字や根拠を用いながら、わかりやすく説明できる資料でなければなりません。
また、融資元の金融機関や投資家などに対して、経営者の想いを伝えることも事業計画書の目的です。設立の目的やミッションなど、社会のなかでどのような役割がある会社にしたいかを伝えましょう。起業家の考えや熱意も、会社設立においては大切な要件だからです。
■読みやすく・伝わりやすい書き方
他人に読んでもらうことが事業計画書の目的なので、読み手にとって読みやすく、伝わりやすい資料でなければなりません。ここでは、事業計画書の書き方について見てみましょう。
まず、伝わる事業計画書を作成するとき、ビジネスの根拠や理由の説明が欠かせません。市場の現況や今後の予測をもとに、行動に至った理由を説明する必要があります。相手はお金を貸したり出資したりする立場なので、起業家の熱意を伝えるだけではなく、事業が成功すると言えるだけの根拠がなければなりません。
投資家や融資元の担当者は、わかりやすくて短時間で読める資料を求めています。そのため、市場の現況や将来の業績予測など、図や表、グラフで表すと効果的です。文章で要点をまとめるときも、箇条書きを積極的に用いながら、ポイントが明確に伝わるようにしましょう。
また、事業計画書のサマリー(要約)もあるとよいかもしれません。結論について数百文字でまとめた魅力的なメッセージがあると、投資家や融資担当者の反応もよくなると思います。
■客観的に事業計画を評価して行動を明確にしよう
自分の思考を整理することも、事業計画書の狙いです。独立するだけなら必要ありませんが、「なぜ、どの市場に向けて、どのようなビジネスを展開するか」を整理するきっかけになります。
事業を始めるとき、行き当たりばったりでは成功しません。しかし、自分の思考や事業戦略がまとまらないまま、ビジネスを始めてしまった起業家の方もいます。行動が不透明なまま立ち上げると、手探り状態で仕事をしなければならなくなるのです。
会社を設立する前に事業計画書を作成すると、自分が何をすべきか明確に理解できます。もし、このときに矛盾点や実現可能性の低い箇所があれば、計画中に修正することで、実際のミスをシミュレーションしたうえで経営が可能です。明確な行動を打ち出すためにも、客観的な視点で何度も書き直し、実際にどのようなビジネスを行うかを考えましょう。