会社設立における「助成金」とは
■条件を満たして会社設立を円滑に進めよう
助成金とは、会社の経営や設立にあたり、資金の一部を国が支援する制度です。融資ではないため、原則返済を行う必要がありません。
受給対象は、基本的に中小企業であり、個人での受給はやや難しいとされています。法人化や会社設立を考えている方は、積極的に活用すると良いでしょう。
受給対象に該当しても、条件を満たしていなければ、給付することはできません。その条件とは、労働者が働きやすい職場環境を整えているか、職場環境の改善を検討しているか、新たな人材を雇う予定があるかです。助成金は各会社が支払う雇用保険料を財源としているため、これらの要素が盛り込まれているのです。
受給した金額は、売上ではなく雑収入扱いとして処理できます。投資資金として活用する以外にも、企業の利益として賄う方法など、経営側の方針によって使い道はさまざま考えられるでしょう。
■条件と特徴の理解は申請のきっかけになる
会社設立に伴う助成金には、主に三種類あります。それぞれ特徴や条件が異なりますので、項目別に見ていきましょう。
まずは、雇用に関するものです。一例として、トライアル雇用奨励金を取り上げます。こちらは、職業経験や知識などで安定した就職が困難な人材を、ハローワークなどが紹介し、会社が雇用する際に発生する助成です。三カ月の試用期間中、一人当たり最大で四万円を受け取れます。互いのミスマッチを防ぐ目的があり、会社にとっても労働者にとっても大きなメリットがあります
次に、創業経費に関するものです。売上の悪化に伴い、一時的に雇用の調整が必要となったときに、雇用調整助成金という形で受給できます。支給限度日数は年間で100日、3年間計算で150日です。リストラなどに踏み切る前に、ぜひ検討していただきたい制度です。
そして、上記両方に関するものがあります。例えば、雇用と創業経費どちらもカバーする、地域創業助成金があります。地域ごとに決められた地域貢献事業で事業を興し、新たな従業員を雇用した際に支給されます。
■助成金に関する具体的なメリットについて
助成金のメリットは、受給額を返済しなくても良い点です。単純な返済負担軽減はもちろんですが、経費不足改善に繋がり、失業対策や福利厚生といった人権に関わる大切な項目を整備できます。労働環境の整備にも大きな役割を果たしているのです。
また、助成金を受給できれば、労働環境が国から認められた証明となり、公的融資がより受けやすくなります。資金不足にお困りの企業は、受給が行える環境作りをしてみると良いかもしれません。
ただし、各給付を受けるには、それぞれ決められた条件を満たさなければなりません。自社がどの給付を受ける権利があるのか、また給付を受けるためにはどのような手続きをするべきなのかを詳しく知る必要があります。自身でインターネットなどを使い確認する方法もありますが、より具体的な内容を知りたい場合は、専門家に相談すると良いでしょう。