会社設立における「補助金」とは
■補助金は会社設立の大きな手助けになる
補助金とは、国や地方自治体から支給される資金です。助成金と同様に、会社の経営、設立に必要な資金の一部を各自治体が支援する制度であり、返済の必要はありません。企業負担をより考慮した受給制度と言えます。ただし、支給の多くは後払いとなるため、基本資金として考えるのは避けましょう。
この制度は、事業計画を書類にて証明しなければならない特徴を持ちます。事業計画書に明確な内容を提示することにより、どのような展望があるのかを記します。
また、資格要件を満たしていても、給付には制限が存在するため、誰でも受けられるわけではありません。社会の役に立つのか、事業に意味があるのか、このようなポイントを明記し、国や地方自治体にアピールする必要があります。
■会社設立を支援する有益な制度
補助金と一口にいっても、さまざまな種類があります。なかでも会社設立に有益な制度をいくつかに絞ってご紹介しましょう。
はじめに、ちいさな企業未来補助金です。主に若者が起業した小規模会社が活用できる、数百万円程度の小口助成制度です。通常、数千万単位での支援が多いなかで珍しい制度と言えます。ベンチャー企業の多いITや介護といった、現代社会に関係するサービス業者が利用するケースが多いようです。
次に、トライアル雇用奨励金です。新規雇用を行う際、ハローワークを利用する方法があります。このとき、職業経験が不十分な人材に対し、トライアル雇用が認められ、トライアル雇用奨励金という形で支援金が支給されます。雇用保険に関する被保険者資格が必要ですが、有益な人材発掘にも活用できる先進的な制度と言えます。
最後は、創業促進補助金です。新たに創業を計画する人材に対し、人件費や設備費用といった経費の一部補助する制度です。補助の上限額は200万円です。申請には、金融機関での確認印が必要なので、あらかじめ要綱などを整理して、スムーズな申請ができるようにしましょう。
■会社に適した制度を使って設立に役立てよう
補助金は主に、地方自治体や独立行政法人からの支給が多いため、なかにはユニークな制度も存在します。例えば、建物の緑化に対する支援です。省エネの一環として、植物を活用した建物の緑化を計画する会社に対し、補助を行う制度です。会社の屋上に植物を植えるスペースを設けるほか、温度上昇を抑制する緑のカーテン作りなどに役立てます。時代の流れに伴った、特徴的な制度の一つです。
また、特許等出願支援もユニークです。新たな特許を出願する際、自治体からのサポートという形で受給できる制度です。日本国内のみならず海外へのものづくりに役立ちます。この制度を使えば、資金面に苦しんでいた研究者も特許を出願しやすくなるかもしれません。
このように、補助金にはユニークな制度が存在しますが、助成金と比べて審査が厳しいです。ただ、その分、ユニークな取り組みが評価されやすい側面を持ちます。これから補助金の給付を考えている方は、事業内容を明確にし、自社にしかない特徴を洗い出しておきましょう。自身で特徴を導き出せない場合は、専門家に相談してみると、参考になるアドバイスをもらえるかもしれません。