特許を取得するには
■特許を取得するまでの流れと内容
特許とは、発明した商品やアイディアを守るために取得するものです。取得をすることで、個人や起業に大きな利益をもたらしますが、その手続きにはさまざまな手順があります。ここでは、権利取得の流れを見てみましょう。
1.出願:出願日を基準に、他の発明を排除できる
権利として得るためには、どの部分において新たな発明であるのかを明確にする必要があります。アイディアや商品の詳細などを文章として整理して特許庁の出願窓口へ提示します。
2.出願公開
出願受理後、1年6ヶ月の日程を過ぎると、出願公開として一般公開されます。特許電子図書館で詳細を閲覧できるため、万が一別の方が同じ発明を行うことを防ぐ事ができます。
3.審査
出願を行ったあと、その製品や技術が権利を受けるにふさわしいかどうかという審査を行います。
4.登録
審査に合格したあとは特許料を納付することにより登録が完了します。登録された権利は最長20年間守られます。
■実体審査時のポイントを把握しておく
特許は、審査を申請すれば必ず得られるというものではありません。請求手続きを行った時に、発明について審査が行われ、どのような内容が盛り込まれているのかを、特許庁が厳重にチェックします。この結果によっては、認められないこともあります。また、すでに同様の技術について他の企業や個人が申請済みだったりすることがあるので注意しましょう。
審査の結果、拒絶する理由がない場合はそのまま申請されます。ただし、ここで受理された後は、申請内容の大幅な修正・補正ができなくなります。このため、技術についてより発展や完成度が上がる可能性がある場合も含めて慎重に申請タイミングをはかることが重要です。
万が一内容に不備があった場合には、拒絶理由が通知されることがあります。ほとんどの場合、まずは拒絶理由に関し、拒絶理由通知を述べられてから、問題点を解決してあらためて取得申請する流れとなります。
もし、拒絶理由が出た場合には、意見書や補正書を書くようにすると、審査に通りやすくなるかもしれません。請求の範囲・明細書修正などを行い、冷静に問題点の解決を行うようにしましょう。
■発明した権利を維持するために必要なこと
発明した権利を維持するためにするべき事としては、継続した特許料の支払いが挙げられます。
権利取得から3年間は、査定後の納付により支払済みですが、4年目以降には権利を失効させないために継続的な支払いが必要です。もし、これを忘れてしまうと、知らずの内に権利失効となってしまうため要注意。そこで、数年分をまとめて前払いで納付するという手法を覚えておきましょう。
この場合には、支払い忘れのトラブルを防ぐことが可能な上、予め最大20年まで期間を定めて権利を維持できるのがメリットです。その他にも、支払い忘れを防ぐために、特許庁で行っている自動納付制度を使用する方法もあります。
維持にかかる費用は、年々高くなってしまう傾向にあります。費用対効果を考えて、権利の放棄が得策となるケースもあるでしょう。もちろん、商品化し十分な利益を上げている間は、大きな効果を持つため継続することが賢明です。