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特許取得に必要な一般的な費用

■特許取得には費用がかかることを把握しておく
特許は、個人や会社が行った「発明」に対し、独占権を持つために作られた制度です。権利を主張する商品・サービスの無断使用や複製を防ぎ製品からの利益を最大にする効果が期待でき、会社経営でも重要な施策の一つとなるでしょう。
特に、自動車・家電メーカーは、技術そのものが、商品に付加価値を与えることからその取得には大きな意味があります。実際に、日本の大企業では、取得によって大きな利益を上げているところも少なくありません。また、国際的なビジネスの現場でも、この権利を巡ってしばしば訴訟が起きることがあります。
このように重要性が高いものであるため、企業はぜひ取得を目指したいものですが、取得手続きにはさまざまな書類の提出はもちろん、諸費用が発生します。これらを不備なく行わなければならないため、きちんとその詳細について把握しておきましょう。

■特許庁に支払いをする費用の詳細
特許庁に支払う金額と内訳は以下の通りです。
・出願時
出願時に支払う費用は15,000円です。また電子化を行う際には追加にて1,200円と書類枚数分×700円が別途かかります。
・審査請求時
審査請求時には118,000円と、請求項目数×4,000円が別途かかります。非常に高額な金額となるため、審査に出す際には再提出などをなるべく避けられるよう、慎重な手続きを行うようにしましょう。
・登録時
登録の際にかかる費用は、2,300円プラス請求項目数×200円がかかります。こちらは1年分の特許料となり、初年度は3年分をまとめて支払う形となります。
・登録後3年以降
登録後3年以降は年度ごとに費用が異なります。
4年目から6年目にかけては、毎年7,100円プラス請求項目数×500円がかかります。また7年目から9年目にかけては、毎年21,400円プラス請求項目数×1,700円が、10年目から25年目にかけては、毎年61,600円プラス請求項目数×4,800円と高額な更新料が必要となります。

■特許事務所に支払う費用の詳細
事務所に支払う金額と内訳は以下の通りです。
・出願時
出願時には基本料金として180,000円、特許庁に支払うための印紙代16,000円がかかるほか、追加項目が発生するたびに10,000円がかかります。また要約書の作成(4,200円)や、文字情報入力費用(1ページにつき2,000文字換算で7,600円)などがかかります。
・審査請求時
審査請求を行う際には印紙代である118,000円と請求項数×4,000円を合わせたものに、手数料として10,000円が加算されます。
・特許査定時
成功報酬として100,000円、料金納付手数料の10,000円がかかるほか、特許料の2,600円プラス請求項目数×200円を3年間分支払います。

取得には以上で紹介したような費用がかかってきますが、それぞれをきちんと支払わなければ正式な手続き完了とはなりません。このため、きちんと手続きを完了させるためにも、専門家へ依頼するのも選択肢。取得によって大きな利益が得られることを念頭に置き、初期投資と割り切ることも大切です。

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