知的財産権の種類と内容
■知的財産権にはいくつかの種類がある
会社や個人が生み出した知的創作物に対しては、知的財産権でそのすべてが保護されています。このため、第三者に創作物の使用権を侵害されることなく利用が可能となっています。この権利は、知的創作物そのものを守ってその使用権を所持できるものと、企業などのイメージを決定づけるデザインなどに対して独自性を保証するものに分かれます。
前者は、その創作活動のさらなる活性化を見込むことができ、後者は企業イメージを固定化させ広くその名を浸透させることにつながります。いずれも会社および個人に何らかの利益があると考えられ、そのために財産として守られる必要があるのです。
さらに、知的財産権の他の分類方法として、いかなる理由があってもその権利を侵害されず排他的に独占できる権利と、類似的なものが現れたとしてもそれが意図的であったときに、効力を発揮する権利に分けられることもあります。
もともと知的財産権とは幅広いものに適用されるもの。権利が発生しないものとの明確な線引きがあるわけではありません。このため、法律によって種類を分け、創作者や権利者はその権利を確定させるために手続きすれば、登録を行えることが認められています。
■知的財産権に含まれる知財四権とは
法人格や、組織の創作物に適用される権利のうち、特に代表的なものが4種類あります。これを知財四権と呼び、さまざまな知的財産はこの4つの権利によって守られています。
それぞれ、
・独自性のある発明において認められる特許権
・何らかの利便性などを有する品物の仕組みや組み合わせに関する実用新案権
・工業製品や機構における形状や色、デザインを守る意匠権
・企業やブランド、商品などに付与された商標が持つイメージや信用における商標権
という名前で規定されています。
これら4つの知財四権は、特に会社が行う産業活動において重要な位置を占めるものであることから、まとめて産業財産権であるともされます。
アイデアそのものは特許権、ものの仕組みによって新たな使い方が見出されたものには実用新案権、特に工業製品として利用するものであり、その形やデザインが優れているものには意匠権が適用されます。さらに、企業ロゴやブランド、商品名などそれを通して企業イメージの革新や浸透を図ることができるものには商標権が効力を持つと考えて間違いありません。自社の商品やアイデアに対して知的財産権の登録をする際には、どの権利に該当するのかをきちんと把握しましょう。
■絶対的独占権と相対的独占権について
知的財産権は、上記で説明したような基本的なものから、非常に強い権限を持ち、他社からの侵害に対する保護を目的としたものまでがあります。後者は、独占権と呼ばれるもので、他の権利侵害の動きを封じることができる絶対的独占権と、後発で類似的なものが出現したときには条件付きで権利を行使できる相対的独占権の2種類が規定されています。
絶対的独占権は、登録を行っている場合に行使され、登録情報の公示があるにもかかわらず類似作が出現した際に権利侵害を問うことが可能とする権利です。一方、相対的独占権に関しては登録の有無は問いません。したがって、登録されていないものの類似作が出ても、既出の作品に対して確認を取るのが困難であり、故意ではないと認められれば侵害には当たらないとされる可能性もありその拘束力は低くなります。このため、独占権の獲得のためにもきちんと自社の商品・サービスについては登録を行っておくことが大切です。
知的財産権の仕組みは複雑で解りづらいもの。しかし、その仕組みを理解することで会社の利益を守れるようになるはずです。