資本金と創業資金
■会社を設立するときに必要な資本金について
資本金とは、会社を設立するときに必要な資金を指します。現在の法律では最低資本金制度の撤廃により1円でも会社設立が可能ですが、現実的にはある程度の資金がなければ経営は成り立ちません。
資本金は会社の体力や規模を表わす指標ともなります。そのため半年から1年程度耐えられる程度の運転資金が必要と言えます。
資金繰りに悩まされると生産性の向上や従業員の確保などが難しくなるため、企業規模が縮小していくことでしょう。そういった問題を根本から絶つために、事業内容以外にも資本金の計画をしっかりと立てることが大切です。
資金に余裕がない場合には、国や銀行といった機関からお金を借りることも、あらかじめ考える必要があります。起業はスタートが肝心です。あまり躊躇をせず余裕を持った経営をするようにしましょう。
ただし、資本金は1,000万円以上保持していると、初年度から消費税の課税業者対象になってしまうため注意しましょう。逆に1,000万円以下の資本金であれば、2年間の消費税免除を受ける事が出来ます。
■創業資金の主な集め方とはどんなものか
創業資金の主な集め方としては、政府系金融機関を使用するという方法が挙げられます。日本公庫とも呼ばれる日本政策金融公庫は、新規起業を行う人たちをサポートする役割をもち、実績がない状態でも柔軟に融資に対応してくれます。
主に新規創業の企業が申請するものとして、「新創業融資制度」というのが挙げられます。融資を受ける金額の3分の1の自己資金が必要となりますが、条件を満たせば無担保・無保証という形で最大1,000万円の融資が受けられます。
具体的な条件としては、雇用の創出を計画する事業や、多様なニーズに対応した事業、現在働いている同業種からの独立(6年以上の勤務が必須)などがあります。
また民間の金融機関から、信用保証付の融資を受ける方法もあります。保証の承諾などにより、信用保証協会が貸し倒しなどのリスクを請け負うため、新規事業者が銀行からの信用を得た上で融資が受けられる環境になります。
信用保証協会は各自治体に設けられているため、申請を行う際には役所などであらかじめ手続きが必要となります。多少の時間を要することも考え、余裕を持った行動を行うようにしましょう。
■融資や申請を行う時は専門家に相談
新たな融資や申請などを計画する際には、出来る限り専門家に相談すると良いでしょう。特に創業間もない企業の場合、資金集めで苦労するケースが多いため、確実に融資を受けられる体制を築いておくとよいでしょう。
専門家を選ぶ際には、国家資格の有無や以前のキャリアに惑わされないことが大切と言えます。 必ずしも「大手のコンサルティング会社や事務所だから安心」という訳ではありません。しっかりと信頼のおける人材に依頼をするようにしましょう。
融資について相談を行う場合には、税理士や行政書士、また民間コンサルタントなどの専門家に補助金や創業資金の融資相談を行うと、より具体的なアドバイスも受けながら手続きを進める事が出来ます。