特許取得までの流れ
■特許取得と出願及び出願公開の流れ
特許取得までの流れとして、まず出願及び出願公開を行わなければなりません。この出願には、具体的に技術的な権利の範囲を、どれくらい求めるのかを明確にする目的があります。したがって出願所には、新たなアイディアであることを証明するのはもちろん、どの部分が権利主張範囲なのか、優れている部分について漏れなく記載することが必要です。
また、この出願では、アイディアを図面にまとめることにより、文章だけでは伝わらない細部においても、特許の権利主張が可能なのが特徴。製品開発の分野においては、流行となった商品に対し、似たようで全く違う模倣品の販売が多く行われるため、オリジナル商品の信用が著しく損なわれる可能性があります。そういった心配を予め防ぐため、申請する商品はどのような特徴を持った物なのかを詳しく記載できるよう作られたものです。
自身の出願時には、こういった仕組みを含めて理解しておく必要があります。申請内容がわかりやすくなるよう心掛けましょう。
■出願後の審査方法について知っておこう
出願後は、審査に移行します。提案したアイディアについて、権利を認める条件を満たしているかどうかがここで判断されます。これは特許庁の審査官によるものであり、国の法律やその他の過去判例から不備がないかのチェックが行われます。
審査の基準は、さまざまですが、その一つに商品化した際に実用的であるか、というものが挙げられます。審査に合格し権利を得られたとしても、手続きの際にかかった費用に加え、管理負担もあるため、権利取得によって得られる利益と釣り合いが取れているかが重要です。
また、過去に似たような製品・アイディアを用いて出願した場合には、目新しさや販売市場が大きく切り開かれないなどの理由で破棄されるケースがあります。あくまで新たなアイディアと商品に対しての権利でもあるため、意図的かどうかにかかわらず基準に引っ掛かってしまった場合は受理されません。
■登録を行う際の方法と注意点について
審査を通過すると、特許庁への登録作業が行われます。ここで、特許料を支払うことで、国の管理リストの中へくわえられることになります。
これは特許登録原簿と呼ばれるもので、取得したものは「特許権設定」に登録されます。もし、ここに登録されている技術・製品・アイディアの類似品が市場へ出てきた場合には、裁判所へ申請を行うことで、販売の差し止めや慰謝料の請求が可能となるため、制度における中核を担うリストだといえます。
登録の際にかかる費用は、基本料の2,300円に合わせ、追加で200円を請求項目数で掛け合わせたものがかかります。初年度はこの納付を3年間まとめて行う必要があるため、資金の用意を先にしておくようにしましょう。
これらの手続きが済んだ後、はれて取得手続きの完了となります。この情報は、基本的に1年6カ月後に発表となりますが、それまでの間に企業で製品開発、販売を行うことは問題ありません。
流れと注意点をよく把握して、スムーズな取得を目指しましょう。