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起業を考えています。
父が以前営んでいた株式会社が現在休眠している状態にあります。新しく会社を起こすつもりでしたが、父から休眠中の会社を使えないかと提案がありました。

新しく会社を設立するのと、その父の会社を生かすのと、どちらが良いでしょうか。
会社の建物があるわけではなく、社員も今はおりません。メリットとデメリットについて教えてください。
父の会社は製造業でしたが、起業を考えているのは経営コンサルタント業です。

もし、生かさないのであれば、父の会社を正式に撤退させた方がいいですか?

父は高齢で、年金と貯金で生活をしています。今後自分で会社を立て直すようなことはもうないと、本人も言っております。

2015年07月23日投稿者:角野卓三(50代男性)
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専門家からの回答

加藤 司法書士/弁護士
加藤 司法書士/弁護士

お父様の休眠会社を活用するメリットは、会社の新規設立に伴う諸費用(登録免許税や専門家報酬など)の負担がないこと、商号の知名度を利用できること、古い設立年度を利用できることです。

それに対してデメリットですが、内山先生の仰る通り負の側面も引き継ぐことです。

この負の側面について登記の観点から言うと、平成18年5月の会社法施行前から休眠状態の会社であれば1~2年毎に役員変更登記をしなければならなかったところ、それを懈怠していたわけですから、登記懈怠による過料の制裁が課せられる恐れがあります。

過料の制裁は登記懈怠の年数に応じて高額になり、最高で100万円と定められています。(会社法976条。実際には数万円~20万円程度が多いようです。)

登記懈怠による過料の制裁は新たな登記を申請したことを起因として課せられることが多いので、ご相談者様がお父様の休眠会社に新たな役員として就任され、それに伴う変更登記を申請したことに起因してその数カ月後に「過料決定」の通知が来る可能性が高いです。

また、お父様の会社とご相談者様の会社では事業目的が異なるようですので、役員変更登記のほかに目的変更登記が必要になるかもしれません。
本店所在場所を変更するのであれば、その変更登記も必要です。

役員変更登記の登録免許税は資本金1億円以下の会社の場合は1万円、目的変更登記の登録免許税は3万円、登記懈怠による過料の制裁、その他の未払債務や負担があることを勘案した上で、新規設立か休眠会社を活用するかを検討されるのが良いでしょう。

なお、ご相談者様が会社を設立する地域によっては産業競争力強化法による支援措置が受けられ、株式会社設立登記の登録免許税が半額になる場合がありますので(指定セミナーを数回受講しなければならないなどの条件があります。)、起業まで数ヶ月から半年程度の期間があるのであれば、自治体の起業支援についてもお調べになってみては如何でしょうか。

2015年07月24日10時21分
内山 瑛行政書士/税理士/公認会計士
内山 瑛行政書士/税理士/公認会計士

新しく会社をつくるとなると、25万~30万円程度以上のお金がかかります(株式会社の場合)
しかし、休眠会社を活用すれば、そのようなお金はいりません。また、設立年度は旧会社のものになりますので、登記簿上は、歴史のある会社ということができます(わざわざ休眠会社を買われて、HPや名刺で「創業●年の会社」とうたっている人もいるくらいです)

しかし、会社を引き継ぐということは、その会社の抱えている負の側面も引き継ぐことができます。帳簿に乗っていない借金(税金や社会保険料の未払いが残っていることが多いです)があったり、ブラックリストにのっていたり、特定の業種の営業が禁止されていたりなどです。お父様の会社ということですので、そのようなことはないかと思いますが、実際に始められる前に、念のため、よく確認しておくことをおすすめします。

生かさないのであれば、解散・清算をして、会社を消滅させることになります。残しておいても不都合はありませんが、市役所から納税通知が来て事情を説明に行かなければならなかったり、登記懈怠で過料が課せられそうになることがあるなど、何かと面倒です。

ちなみに、最後の登記変更から15年放置した会社は、休眠から復活できませんので、ご留意ください。

2015年07月23日17時55分
user_icon 角野卓三
(50代男性)

アドバイスありがとうございます。
調べたところ父の会社に大きな負債はなく、加藤先生がおっしゃっていた過料が数万発生しますが、登記にかかる金額より安く済むようです。
山内先生がおっしゃっていたように、創業年数もそのまま記載して、父の会社を復活させようと思います。
事業は違えど父も喜んでいます。

とても参考になりました。
誠にありがとうございました。

2015年07月30日10時35分

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